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【しろくまにっき】ララとリラ移動予定~6年ぶりの挑戦~

(Lara the Polar Bear, female 30 years old, Sapporo Maruyama Zoo, 2025.09.08)
2025年9月8日(月)
8月下旬頃からは、給餌時間以外は屋内で休む時間が長くなってきたと感じるララ(メス/30歳)。春先から夏にかけて、日中は本当によく歩いていましたが、最近はスローペースに感じ、季節的な行動の変化なのかなと思ったりします。
今朝は、ファンにとっては少し重要なお知らせがホッキョクグマ館に掲示されていました。

今朝から新たに掲示されていたのは、写真右側のお知らせ。
ホッキョクグマの展示場所変更のお知らせです。
期間は2025年9月11日(木)から1ヶ月程度  (9月10日(水)は休園日)
ララ(メス/30歳)・・旧世界の熊館→ホッキョクグマ館(サブ放飼場+寝室)
リラ(メス/10歳)・・ホッキョクグマ館→旧世界の熊館
ライト(オス/11歳)・・変更なし(ホッキョクグマ館 メイン放飼場+寝室)

変更に伴い、期間中はララだけが非展示になる予定。ララの様子は公式SNSで発信される。

ララとリラの移動は2025年9月10日(水)の休園日に行われる予定だそうですが、当日の個体次第というところもあり、状態によっては予定が変更になる場合もあるようです。(例えば、移動出来なければ、日程が延期されるなど・・)予定では、旧世界の熊館北側3マス分をリラに開放するそうですが、これもまた動物の状態次第で変更もあるかもしれません。

リラは①②の檻マスの中で、1歳〜3歳のおよそ2年間暮らした経験がありますが、③の放飼場だけは未体験ゾーンとなっているはずです。

今回の展示場変更理由】として、ホッキョクグマの福祉向上の取り組みの一環とあります。
円山動物園のホッキョクグマ館は、敷地面積も広く、設備の整った素晴らしい施設で、尚且つ飼育担当者による日々の努力でより良い環境を提供されていますが、今回は展示場を移動させるという変化で、ララとリラはどのような行動を取るかを観察するという意図があるそうです。
素晴らしい施設でも、飼育下という制限・限界はあるわけで、福祉向上を目指すためのひとつの試みでしょうか。

実は6年前(2019年)にも同様の事が行われており、その事を含め、簡単にララとリラの今までをまとめました。

(写真:ララとリラ)
2014年12月21日 ララは20歳の時にリラを出産。(父親はデナリ)
2015年04月01日 ララとリラ 一般公開初日
2015年12月22日 新施設ホッキョクグマ館建設のため親子は北寄り2マスに移動

(写真:リラ(左)とキャンディ(右))
2018年1月24日 ララとリラはホッキョクグマ館へ馴致のため入居
2017年10月末に完成したホッキョクグマ館に、まず最初に馴致に向かったのはデナリ(2017年12月25日〜2018年1月23日)で、その交替にホッキョクグマ館へ入居したのはララとリラ(2018年1月24日〜)でした。

(写真:ララ(左)とリラ(右))
馴致からそのままホッキョクグマ館オープン日(2018年3月13日)を迎えることになりました。
2019年1月10日 ララに足の不調が見られ一時的な別居となりましたが、このタイミングで子離れの時期と重なり、以降2頭は別々に暮らすようになりました。リラが4歳の時でした。ララはしばらく療養のため寝室とサブ放飼場で過ごすことになり、非展示の状態が続きました。

※ちなみに今回のララ非展示は、ララの体調不調によるものではなく、あくまで動物福祉によるもの。

2019年4月13日 デナリとリラの展示場交換が行われました
リラ(メス/4歳)・・ホッキョクグマ館→旧世界の熊館(南側2マス)
デナリ(オス/25歳)・・旧世界の熊館→ホッキョクグマ館

円山動物園のホッキョクグマ館と旧世界のクマ館は、無麻酔で動物が移動出来るように、動物用の通路で繋がっているため、新館オープン当時から交替展示については考えられていました。当時は現在ほど「動物福祉」という言葉は浸透されていないようでしたが、目的は環境エンリッチメントの一環でした。

ホッキョクグマ館がオープンしてから暫くの間、新館では人工物のおもちゃは避けられていたため、旧世界の熊館では思いっきりおもちゃを楽しんでいた4歳のリラの姿に、ファンも喜んでいたものです。大きな施設で生活していたためか、距離感を誤るような感じも見られ、「慣れ」の恐ろしさも実感しました(笑)。

久しぶりにホッキョクグマ館に戻ってきたデナリ(当時25歳)。この頃も日中はよく歩いていました。

大きなプールでダイナミックな泳ぎを見せてくれたデナリ(写真/当時25歳)。
2019年4月13日〜2019年8月8日の約4ヶ月の期間、リラと1日交替でホッキョクグマ館で過ごしました。今となればとても懐かしい思い出です。

リラが旧世界の熊館(北)に居た頃、ララ(写真/当時24歳)は旧世界の熊館(南)で過ごしていました。

新施設ホッキョクグマ館で、体力・技術共にスキルアップしているリラ(写真)にとって、旧世界の熊館の施設に対する力加減を誤るのか、いや、元々若いホッキョクグマの行動は、人間の想像を超えてくるものなのでしょう、ついには(立てないように削られたはずの)プールの縁に立とうとする行動をみせ、ここでの展示は危険とみなされてしまいました。

そのため、リラは2019年5月3日より急遽ホッキョクグマ館に戻ることになり、旧世界の熊館でのリラの展示は19日間で終了となりました。

デナリとリラがホッキョクグマ館で過ごしていたころ、ララ(写真)は旧世界の熊館(南)に戻り、のんびりした生活を再開させます。
多少、放飼場を横移動したり、エリア拡張・縮小をすれど、ララはこうして30歳の現在に至るまでずっと旧世界の熊館で過ごしてきましたが、今回は久しぶりにホッキョクグマ館へ移動することになったのです。

ホッキョクグマ館には現在、ライト(写真/オス/11歳)がいます。
顔は見えないものの、若いオスのニオイを近くで感じるであろうララは、どんな行動を見せてくれるのでしょうか?実際に観察出来ないのは残念過ぎますが、SNS発信に期待したいと思います。

さて、6年ぶりに旧世界の熊館へ移動するリラ(10歳)は、初めて体験する放飼場でどんな行動を見せてくれるのでしょう?おとなになった行動?刺激強めでグレードアップ?やっぱり急遽帰還?

いずれにせよ、この冬はライトとの繁殖が控えているため、リラはその前までにはホッキョクグマ館に戻って来ることが決まっています。進化し続けるホッキョクグマたちと、飼育現場に期待しています。

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