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ホッキョクグマ「デナリ」の繁殖実績と半生を綴った映像

(ホッキョクグマ デナリ(オス) 札幌市円山動物園 1993年11月9日生ー2023年9月5日没)
堀にたくさん降り積もった雪の中に、埋もれるように休んでいたデナリが、ふと見上げた瞬間の写真です。口から犬歯の先が見えるところや、くつろいだ表情がお気に入りです。29年の生涯の中で、ララの子育て中やお籠り中は、狭い檻の生活を強いられた月日もありましたが、それ以外や高齢になってからは、広いスペースで過ごせており、何より雪深い冬を何年も体験出来たことは、幸せだったのではないでしょうか。亡くなってしまうと歴史上のホッキョクグマになってしまい、これからリラララゆめたちのファンになった人が、デナリってどんなクマ?と思う人も現れるかもしれません。デナリのすべてまではいきませんが、知りうる多くのエピソードやその姿を映像でまとめましたので、ここに貼っておきます。亡くなった直後の今はまだ見られなくとも、またいつか会いたくなった時にでも、開いて観てもらえたらと思います。

デナリはララとの間に、6回の出産で8頭の子どもが誕生しています。2003年以前にも出産経験がありますがカウントしていません。
2000年12月16日 1頭出産(産仔死亡)  デナリ7歳 ララ6歳
2001年12月21日 2頭出産(産仔死亡) デナリ8歳 ララ7歳
2002年12月15日 2頭出産(産仔死亡) デナリ9歳 ララ8歳
後に続く繁殖成功は、環境を変えられるなど、失敗の経験が生かされた結果でもあるのでしょう。

デナリは生涯の中で4頭のメスと同居し、繁殖を目指した経験があります。サツキとの間に交尾は確認されませんでしたが、クルミ、キャンディとは交尾は確認されても繁殖には至らずという結果。クルミはその後、男鹿水族館GAOで豪太との繁殖に成功しミルクが誕生しましたので、相性や環境に因るところも大きいのでしょう。そもそも新しい命が誕生すること自体、奇跡的なことですが、デナリとララが円山で出会って8頭の子が誕生したということが、どれほど貴重で尊いことだったのかと今更ながらに感じます。

今回デナリが亡くなってしまったことで、現在の国内のホッキョクグマの頭数32頭に。
昨年の初めには36頭と言っていたのが、ツヨシ→ジャンブイ→ミルク→デナリが亡くなってしまいました。今年末にはどこかで誕生してほしいですね。
出来るオスがのんびりしていられない状況でしょうか・・・

つくづく最高のカップルですね。
左はララ、右はデナリ。圧倒的にオスの体の方が大きいです。若い頃の2頭はこの壁で背中を擦ることがよくあり、ホッキョクグマの身長がわかるように、ある時身長計が書かれました。獣舎がリニューアルされて以降は身長計も消えており、高齢となったララがここで立つこともほとんどないのだと思います。(数年見ていません)

振り返ってみると、18~20歳のデナリの遊びは絶好調そのものでした。若い頃はもっと元気がよかったのだと思います。昔は浮き玉のおもちゃくらいしか見なかったのが、ポリタンク、ガス管など種類が増えていき、2013年くらいからは海外製の動物用おもちゃも導入されるようになり、動きが活発になってきたように思えました。

ホッキョクグマは遊ぶのが好きといいますが、本当にそうだなあと思えた頃でした。

若い頃のデナリの体はスリム。歯が抜けてきたことが確認され始めてからは、ミンチにしたり、ペレットをふやかしたりされ、消化吸収がよくなったせいか、21歳以降は体は大きくガッチリしてきたように思います。

デナリはおもちゃを壁などに固定して、口で押さえたり、噛んだり、爪でガリガリする遊びをよくしました。すると決まって唾液の泡が口の周りについて、白ひげサンタになっていました。(笑)

首の長さが際立つポーズ。

18歳のデナリの立ち姿。

29歳のデナリ。冬なので毛が長いのもありますが、若い頃より随分大きく丸く見えます。

大雪の時は動物園に行くこと自体が大変だったりもするのですが、ホッキョクグマの表情がとても生き生きしているので、なんとか行きたいと思わせてくれるホッキョクグマたち。とくに大雪の中のデナリは最高でした。

赤ちゃんデナリとその母シヌックと言われている写真が、加工されてクリアファイルとして存在し、多くの人の手元にあるかと思うと、デナリの偉大さがさらに増す!
お母さんにギュッと愛されたデナリだから、まっすぐ育ってきたんだね。

馴致でホッキョクグマ館に行っていた際に撮影されたデナリの写真が、ポスターになったり年間パスポートになっていたことも、華々しくてカッコよかった。

思い出話なら次から次へと思い浮かびますが、徐々に忘れていったり、編集しようとする気持ちも薄れていくことも事実。残しておこうと思う気持ちが強い今、なんとか振り絞って作った映像です。

とても長い映像です。YouTubeのこの動画の概要欄には目次(チャプター)があり、時間の部分をクリックすると、その場面から見られますのでご活用下さい。

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コメント

  1. Mikiko より:

    デナリの半生を綴った動画を本当にありがとうございます。MAYUさんにしかできません。
    5日、最期の日の閉園の音楽にプールからあがって、私たちのそばに来てくれたデナリ、ひとりひとりを見つめて、まるで何かを語ってくれているかの様でした。心配かけずにお客さんを見送ってくれて、デナリは頑張ってくれたと感じています。7日に献花に行き、その後体調を崩しました…。デナリの頑張りと比べて、情けないほどです。今はまだ、動画を全て見ることが出来ませんが、本当に感謝しております。

    • MAYU MAYU より:

      ご丁寧にありがとうございます。どうぞお身体をご自愛下さいませ。
      9月第3週になると、やはりそれなりに秋めいてきますね。
      季節の変わり目と心の寂しさが重なると、体調も崩しやすいです。
      とくに後者の要因はやっかいですので、お身体優先でお過ごし下さいね。

  2. 0119 より:

    MAYUさま
    素敵な動画をありがとうございます。
    可愛いデナリが溢れてて泣けてきます。
    やっぱり寂しいですが、素晴らしい記録としてゆっくり拝見させていただきます。

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