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シンリンオオカミ「ジェイ」の訃報


円山動物園でのオオカミの群れのリーダーだったジェイが、5月3日の朝に亡くなったことが確認されたそうです。ジェイは4月25日に17歳の誕生日を迎えたばかり。晩年は体調を崩すこともあり、腫瘍の切除をしてもらったり、内臓系の負担を減らすなど細かいケアをしてもらい、よくぞここまで長生きしてくれたと思います。若い頃から体格が立派で、今では丸く優しいオオカミの顔となっていたジェイに、もう少し長く会っていたかったと欲張る気持ちもありますが、お疲れさまでしたとお見送りしたいと思います。
円山動物園HP シンリンオオカミ「ジェイ」が死亡しました


2005年4月25日に富山ファミリーパークで生まれたジェイは、群馬サファリパークに移動後、2008年7月29日に円山動物園に来園。当時、1頭で飼育されていたメスのキナコの相手としてやってきました。キナコ8歳、ジェイ3歳の時でした。来園当初は今よりもシュッと長い顔の印象で、被毛も茶系に見えたものでしたが、成長と共に、見た目の印象が変わっていきました。


2009年には、茶系というより白黒グレイ系。若い時は目の下の黒いラインもハッキリ出ています。


ジェイが若かったこともあるのか、最初は繁殖もうまくいかなかったりでしたが、2010年には長男のルーク(オス)が誕生しました。ルークの育児には積極的に参加し、いいお父さんぶりを見せてもらったことも思い出深いです。翌年2011年には、ユウキ(オス)とショウ(オス)が誕生。育児に協力的なのは専ら長男のルークで、ジェイは離れたところで見守るだけ。群れにはいろいろルールがあるようでした。子育ての期間も過ぎ、一番の高齢だったキナコは、別飼いされている際の2013年に起きた事故により亡くなりました。


オオカミの成長は早く、子どもは皆オスということもあり、順位争いという微妙な時期がやがて訪れます。隣にあるサブ放飼場で分けて飼育されつつ、ユウキはとくしま動物園へ、ショウは平川動物公園へ移動していきました。長男のルークはジェイとずっと一緒にいましたが、2019年5月9日重度の貧血で、ジェイよりも先に逝ってしまいました。


ルークが亡くなって以降独り暮らしとなったジェイ。高齢に伴い白い毛の割合が多くなってきて、優しそうな顔立ち、白くて大きなオオカミとして、人気はより高まっていたようです。昨年秋には、放飼場内でひっつき虫が眉間についてしまい、ルックス的に困ったなあと思ったら、翌日には取れたようで、ほっとしました。他のひっつき虫はまだついたままのものがあり、この春の換毛期で取れるかなと思っていたところでした。


2月にはまだ小走りで往復出来るほどの元気さがあり、17歳の誕生日も楽勝で迎えられるのかと期待されましたが、翌月3月16日の朝、突然にふらつきが見られ、非展示での治療・療養が始まりました。4月にはサブ放飼場を歩くリハビリも進められていたところでした。若い頃のジェイは、氷を独り占めして舐めていましたが、アイスが好きなのでしょうか?リハビリ中は、サブ放飼場でずっと雪を舐めていました。そんなジェイのために、きれいな残雪を用意してくれていた職員の方々にも感謝です。

円山動物園では飼育スペースの問題もあり、継続的に飼育していくことが困難と判断され、今後シンリンオオカミの飼育は断念するとされています。ひとつの時代が終わったような寂しさも感じます。

2005年4月25日 富山市ファミリーパーク生まれ(父サスケ・母ナナ)
2008年7月29日 群馬サファリパークから円山動物園へ移動
2010年5月14日 長男ルーク誕生(母キナコ)
2011年5月9日 ユウキ(オス)、ショウ(オス)誕生(母キナコ)
2013年1月8日  キナコ死亡
2015年12月10日 ユウキがとくしま動物園へ移動
2019年5月8日  ルーク死亡
2019年11月6日 ショウが平川動物公園へ移動
2022年5月3日 ジェイ 中枢神経系の異常、食欲廃絶、高カルシウム血症により17歳で死亡

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コメント

  1. ぼの より:

    覚悟はしていましたが、ついにその日が来てしまったのですね。
    長年この一家を見守ってこられたMAYUさんのあたたかな視線の映像に涙しました。。
    夏に会いに行けるまで待っていてほしかったのですが・・残念です。
    本当にいろいろなことがあったオオカミ舎、今後が気になるところですが、今はただ悼みます。
    お疲れ様、ジェイ。やすらかに。

  2. リク より:

    1年ほど前、ふとしたきっかけでジェイキナファミリーのファンになり、こちらのブログの記事と動画をたくさん拝見しました。
    ファン歴の浅い私でも今回のことは虚無感が大きいので、ジェイやファミリーと直接会ったことのあるファンの方々の寂しさはいかばかりかと思います。
    言葉にできない想いがたくさんあります。
    色々あったけど、ジェイもキナコも幸せだったと思うし、私達も彼らから多くのことを学びました。
    ジェイ達と、彼らをお世話してくださった飼育員の方々に感謝します。
    これからも、こちらでジェイファミリーの姿を見たいし、これから新しくオオカミを好きになる人々にも是非見てほしいので、彼らの記録をずっとこのまま残していただけると嬉しいです。
    またここに、mayuさんとジェイファミリーに会いに来ますね。

  3. あっちっち より:

    そうですか・・ジェイが・・

    いつかはこの日が来る・・
    そうわかっていても、本当にこの日が来ると
    うろたえ、動揺し、そして悲しみが押し寄せます。

    本当に子煩悩で素敵なパパでしたね。
    そして素晴らしいリーダーでした。

    こうして過去形で書くのも悲しいけど、
    晩年の弱々しい歩き方を見ると、体調不良や
    思うように動かない体の辛さからは解放されたのかな・・
    とも思います。

    ジェイ、本当にお疲れ様でした。
    もう天国でキナコやルークに会えたかな。
    優しい顔をした貴方が大好きでした。
    どうか、どうか安らかに・・

    ダメだ、涙がとまらない・・

  4. ラブまま より:

    おはようございます。
    ジェイが亡くなったとTwitterで知りました🥲
    mayuさんのブログでジェイとキナコちゃんのファミリーを楽しく、時には現実を実感しながら拝見していました。
    来月…北海道に行く予定にしていたので…ジェイに会えなくても…同じ空気を吸えたら…いあなぁと思っていました。
    もう…円山ではシンリンオオカミの飼育はないとの事で円山での一つの歴史を刻んでくれたジェイに感謝です。
    頑張ったね…ありがとう。
    徳島と平川の子供達も元気で長生きする様に見守ってね!ジェイ!

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